7泊9日のハワイ旅行もいよいよ帰国日。ANA フライングホヌのファーストクラスで日本へ戻ります(NH183)。ウェルカムドリンクではキレとコクが高次元で両立しながらスッと染み渡るシャンパーニュ「クリュッグ(KRUG)」を離陸前から堪能。この復路こそ今回の旅行の裏メインイベント、日本に到着するまで、総二階建てA380機のファーストクラスを存分に楽しみながら旅を締め括ります。
- ホノルル便のファーストクラスに乗るなら往路よりも復路
- シャンパーニュ「クリュッグ(KRUG)」が飲み放題に
- コスパ的に評価するならビジネスクラスで十分か
ホノルル便のファーストクラスに乗るなら往路よりも復路
フライト自体が観光という選択
往路のNH182は夜行便なのでビジネスクラスを選択しましたが、復路のNH183は11:30発で約9時間のフライトという日中便、旅の最後にフライトをしっかり楽しむ観光オプションとして、敢えてのファーストクラスを選択。
復路にした理由のもう一つは飛行時間。往路が約7時間なのに対して、偏西風や航路の影響を受ける復路は約9時間と往路に比べてフライト時間が長くなります。同じコストならしっかり起きていてフライトを満喫できる復路に良席を充てた方がお得(ホノルル便の往路は夜行便なので寝てしまうか、無理して起きると到着後の行動に影響が出てしまいます)。
さらに言えば、ANAのA380機 フライングホヌのファーストクラスに乗ってみたかったという単純な動機。現状、A380以外だとファーストクラスの設定はボーイング777-300ER(77W)のみです。77Wは欧米路線に投入されており今後も登場するチャンスはありますが、ホノルル路線にしか投入されていないA380は運用コストの面で機体自体をいつ手放すやもしれず、また、ハワイにそう何度も行くわけでは無いので乗れる時に乗っておこうと思いました。
豊富で充実したアメニティと離陸前のサービス
ファーストクラスのウェルカムドリンクはさすがにビジネスクラスとは違います。離陸前からメインシャンパーニュ「クリュッグ(KRUG)」がフルートグラスで提供されます。適当に写真を撮っていると、記念撮影いかがですかとCAさんからのご提案、ありがたくお願いしました。
アメニティはスーツケースで有名な1897年創業の英国ラグジュアリーブランド「グローブ・トロッター」のポーチ、これは嬉しいですね。機内WiFiの無料チケットも付いています。また、座席には大きめの巾着袋に入った新品のパジャマセットも用意されており、持ち帰り可能とのこと。起きていて使いどころがなかったので持ち帰りさせていただきました。
参考までに、ANAのホノルル直行便を載せておきます(2023年12月)。
- 往路
NH184 成田 20:35発 - ホノルル 08:25着 A380 フライングホヌ
NH182 成田 21:30発 - ホノルル 09:20着 A380 フライングホヌ
NH186 羽田 21:55発 - ホノルル 09:45着 B789 - 復路
NH183 ホノルル 11:30発 - 成田 15:55着 A380 フライングホヌ
NH181 ホノルル 12:30発 - 成田 16:55着 A380 フライングホヌ
NH185 ホノルル 13:15発 - 羽田 17:45着 B789
※発着時間や便数は季節によって異なります。
クリュッグ(KRUG)で楽しむフルコース機内食の開宴
クリュッグ&キャビアの最強コンビは当然お代わり
離陸後1時間もしないうちにお楽しみの機内食開始。離陸前から既に2杯いただいている「クリュッグ(KRUG)」をとりあえず頼みます。ワイン好きを察してくれたのかCAさん、お食事の準備に入るから撮影もご自由にとボトルごと置いて行ってくれます。
まずはアミューズ、この段階で既に4杯目のクリュッグ。シャンパーニュも年々高騰しており、以前は1本2万円ちょいで買えたクリュッグも今や3万越えは当たり前、細かいこと気にせずクリュッグが飲み放題状態というのはワイン好きにとってはたまらない一時です。
続いて前菜。キャビアとクリュッグの相性が抜群、他は何もいらないと思わせるくらいのマリアージュは至福の時間。メインの前にスープとサラダを挟みますが、当然ながらキャビアもクリュッグもお代わり。キャビアには専用スプーンが付いています。
途中でドゥーツに浮気するも直ぐにクリュッグに復縁
さすがに5杯も6杯もクリュッグばかり飲んでいるのを見かねたのか、この日のもう1種類のシャンパーニュもお試しされてはと提案いただき、ドゥーツ ブラン・ド・ブラン ミレジム2014も抜栓していただきました。(もちろん高価なシャンパーニュであり)悪くはないのですが、クリュッグのキレを堪能中の競合シャンパーニュとしては「甘さ」を感じてしまいます(普段なら美味しいはず)。1杯でクリュッグに戻ります。
メインはUSプライム牛フィレ肉のステーキを選択。盛り付けもオシャレです。妻は海老と帆立貝のソテーを選択していました。例によって赤ワインもいかがですか?とCAさんに勧められたので、妻が飲んでいたブルゴーニュの赤(ジュヴレ・シャンベルタン)もいただきます。
が、やっぱりクリュッグの方が美味いし肉料理にも合う(シャンパーニュは和洋中、何にでも合わせやすい万能ワインです)ということで、再び直ぐにクリュッグに戻ります。個人的にはブルゴーニュの赤は機内では地上ほど美味しく感じません。気圧なのか温度なのか、フライト中はブルゴーニュの繊細さを損ねてしまう気がします。ガッツリしたパンチ系の赤は比較的問題なく楽しめます。
最後にデザート。3種類から選べたのでムース的なものを、やっぱりクリュッグが合います。もうこの辺りになると「お飲み物はいかがしますか?」と聞かれるのではなく、予めボトルを持参して「クリュッグでよろしいですか?」というサーブのされ方になります。
9時間弱のフライト、ずっと起きているとさすがに長いです。映画もフルに4本観れる長さ(実際には映画3本とバラエティ系を適当に観ていました)。前日に睡眠はバッチリ取っているので眠くはなく、ひたすら映像観ながら飲み食いの時間。動いてないはずなのに適度にお腹は空くので、お茶漬けセットとチーズ盛合せも途中で頼みました。もちろん合わせるのはクリュッグ(KRUG)。
フライト中、基本クリュッグ通し。数えられるだけでも10杯以上は飲んでいます。ボトル1本は確実に超え、ボトル2本に届こうかという勢いです(毎回ガッツリ注いでくれるので1杯100mlは優に超えている)。ワイン好きではありますが酒量限界度は標準的なワインラバーと同等なので普段を上回る酒量、そこはクリュッグ効果といったところでしょうか、酩酊どころか全く酔っぱらうことはありませんでした。搭乗前にワイキキのANAスイートラウンジに寄りましたが、ここでは1杯に抑えておいたのも良かったのかもしれません。
ANAスイートラウンジからはA380の2階席に直接搭乗可能
ちなみに、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港には、ANAスイートラウンジとANAラウンジがあります。ANAスイートラウンジは、ボーディングブリッジがA380の2階席に直結していますのでスイートラウンジ&2階席利用者は、ラウンジを出ることなく搭乗できます(内部の写真撮り忘れました)。1階席のエコノミーに向かう場合は、ラウンジを出て通常通り搭乗することになります(また、ビジネスやプレエコの場合はANAスイートラウンジの入室資格がないとラウンジからの直接搭乗は出来ません)。
ANA フライングホヌ ファーストクラスの総括
結論:コスパの観点からはビジネスクラスで十分
思うままに堪能させていただいたファーストクラス、コスパ的な観点から言えば二重丸、という訳ではないというのが正直な感想です。様々なエアラインでのこれまでの経験にもとづく体感値ですが、エコノミー:ビジネス:ファーストでの1座席の占有面積は凡そ1:2.5:5、有償でのお値段は凡そ1:3~4:8~10といったところでしょうか(面積:価格の比率に合わない部分がプレミアム要素)。
確かにクリュッグを始めとする飲食やサービスは相応の対価なのでしょうが、長時間を苦なく快適に過ごす(足を延ばして寝て到着時に備える)という希望を満たすだけならビジネスクラスのシートで十分というのが実感での評価になります。近年は各エアラインともビジネスクラスの居住性には力を入れており、ANAも新型77Wのシートは個室風の扉も付いており一昔前のファーストクラスのようなイメージ。差分で十分、現地で美味しいもの食べ飲みできますしね。参考までに搭乗日(2023年12月)のNH183 ファーストクラスのワインリストを載せておきます。
往路のビジネスクラス搭乗機は下記を参照ください。
エアライン好きなら一度は体験価値として経験するのはアリ
但し、ANA フライングホヌのファースト、日本のエアラインで唯一のA380機のファーストに一度は乗ってみるという体験価値はエアライン好きとしてはアリかなと思います。
同じA380機であれば、ファーストクラスのお勧めは「エミレーツ航空」でしょうか。装飾のキラキラ感がザ・ファーストという言葉にピッタリです。ちなみに、エミレーツ航空のファーストのシャンパーニュは「ドンペリ(Dom Pérignon)」でした。むしろ目玉ワインはシャンパーニュではなく、今なら1本10万円近くするデザートワイン「シャトー・ディケム(Chateau d'Yquem)」。こちらは別の記事で紹介したいと思います。