豪華絢爛、の一言につきるエミレーツ航空 A380のファーストクラス。煌びやかな内装、広い機体を活かした細部の造り、驚愕のシャワールームなど他のエアラインとは比べ物にならないサービスとこだわりがあります。つい先日のハワイ旅行記でANA A380 フライングホヌのファーストクラスの搭乗記を載せましたので、比較としてエミレーツ航空ファーストクラス搭乗記も書き起こしてみます(2017年搭乗 EK385 香港→バンコク)。
- シャワールームが存在、個室に仕様の座席にはパーソナルバーも完備
- 「シャトーディケム」「ヘネシー・パラディ」は絶対に飲むべき
- エミレーツ航空のファーストクラスにお得に乗れる「以遠権航路」
- エミレーツ航空ファーストクラスは圧巻の個室仕様
- シャワールームなど他のエアラインにはない設備が満載
- ドリンクの充実度はさすが、ドンペリ以外にも幻級のお酒が
- 香港のエミレーツ航空「ファーストラウンジ」を利用可
エミレーツ航空ファーストクラスは圧巻の個室仕様
エミレーツ航空かシンガポール航空か、エアライン界の双璧をなす2社の一角、エミレーツ航空のファーストクラスは噂に違わぬ圧倒的な存在感でした。まず内装と座席。照明を落とすと「キラキラ感」が際立つ空間は、特別な搭乗であることを五感で感じさせてくれます。
見た目の豪華絢爛さだけではなく、細部の設備には最先端&おもてなしの設えが存在しています。座席サイドにはパーソナルバーが完備されており、CAさんを呼ばずとも基本的なドリンクを取ることが出来ます。パーソナルバーはビジネスクラスにもあるのですが、ファーストクラスのパーソナルバーは格納式であることに加え、冷蔵機能が備わっているところがポイントです。
座席の手元には、各種機能を操作できるセカンドモニターも備わっています。
前方のメインモニターは32インチの大画面、他のエアラインには無い小洒落た照明も備わっています。特筆すべきはテーブルに埋め込まれた鏡とアメニティ。この発想と造形は、中東のセレブリティ感を意識させられます。
ファーストクラス座席の広さを上手く伝えられないのが残念ですが、感覚的に伝えられる写真を。格納式のメインテーブルの向こう、足元は広々としており、持込可能な小スーツケースであれば余裕で収まります(スーツケース用のシートベルトまで用意されています)。飛行機の座席で足元にスーツケースが置ける広さ、を想像していただけるとその広さをイメージしやすかと思います。
ファーストクラスの座席は、当然ながら個室仕様。堅牢な扉は電動式、ボタン一発で開閉できます。中央の並び2席には仕切り扉もあります。
シャワールームなど他のエアラインにはない設備が満載
座席だけでも圧倒されてしまいましたが、ファーストクラスには驚愕の設備が。何と「シャワー」が備わっています。14席のファーストクラス前方にはSPAルームが備わっており、地上数千フィート上空を飛行中に、温水でシャワーを浴びることが出来るのです。シャワーを前提としたSPAルームの為、広々としたトイレ・洗面所にもなっています。
シャワーだけでもエアラインの常識の斜め上をいく驚きですが、ビジネスクラスの方にはさらに上を行く設備、「ラウンジバー」が備わっています。機上での本格的な「The BAR」です。こちらはビジネスクラスの搭乗記で紹介したいと思います。
ドリンクの充実度はさすが、ドンペリ以外にも幻級のお酒が
ウェルカムドリンクではシャンパーニュ「ドンペリ」も勧められましたが、どうせ後で飲むのと、ラウンジで既にアルコールを入れていたこともあり、胃を休めるためにもアラビックコーヒーをオーダーしました。おつまみにいただいたナツメヤシの実のドライフルーツであるデーツ(中東では高級品!)は、スパイシーなアラビックコーヒーとの相性抜群でした。
離陸後しばらくして機内食、シャンパーニュ「ドンペリ」をいただきます。ドンペリは全てがビンテージ物、良質な葡萄収穫年のみでしか生産されないシャンパーニュです。この搭乗日のビンテージは比較的評価の高い2006年物、こちらが搭乗中飲み放題、実質2本近くいただきました。
今回のフライトは、香港からバンコクへの短距離路線(EK385)。機内食はフルコースではなく、ワンプレートでの提供となります。とは言え、テーブルセットに手抜きはありません。時間はそれなりにあるので、シャンパーニュ以外の豊富なドリンク類も惜しげなくサーブしていただけます。
エミレーツ航空のファーストクラスと言えば、1本2万円~3万円もするシャンパーニュ「ドンペリ」が注目されがちですが、実は目玉のドリンクは、ドンペリ以外の2つにあります。
そのうちの一つが「シャトー・ディケム(Chateau d'Yquem)」、こちら何と1本10万円前後するソーテルヌのデザートワイン、値段よりもまず入手が困難で偽物すら流通する代物です。デザートワインの名の通り甘口の食後酒に位置付けられる貴腐ワインですが、シャトー・ディケムは全くの別物、「高貴さ」という表現がそのまま当てはまり、凝縮かつ洗練された甘味は余韻がありながらもむしろスッキリとした味わいであり、食中酒としても申し分ないです。シャトー・ディケムがボトルごと提供される、というのはワインラバーであれば「信じられない」光景だと思います。こちらもほぼ1本いただきました。
目玉ドリンクの2つ目は、コニャック「ヘネシー・パラディ(Hennessy Paradis)」、こちらは1本20万円近くする古酒の原酒を数種類ブレンドしたコニャックです。もうこの辺になると、そもそもの生産・流通量が少ないので市販どころかマーケットで取引されるレベルになります。コニャックを飲むことはあまりなく造詣も深くはないですが、パラディのことは知っていたのでドリンクリストで発見した途端、これは飲んでおくべきと思いオーダー。封は開いてなかったようですが、惜しげもなく開けていただきゴディバのチョコレートとともに〆酒としていただきました。味わいを表現するならば「重厚にして複雑」の一言。
そうこうしているうちに、香港からバンコクまで、3時間ちょっとのフライトが終わります。ドリンクメニューを参考までに載せておきます。
往路はバンコクから香港までビジネスクラスに搭乗していました。短距離路線ではありますが、バンコク-香港のエミレーツ航空路線は「以遠権」と呼ばれる特殊航路で、大変コスパ良く搭乗できる路線になります。当時の予約履歴を引っ張り出してみると、往路ビジネスクラス(EK384)/復路ファーストクラス(EK385)の合計でTHB 25,780、当時のレートで日本円にして8.5万円ほどでチケットを購入していました。
気になって調べてみたら、現在でもTHB27,335ほどで購入できるようです(円安の影響もあり日本円にすると11万円強)。以遠権のからくりや詳細は別の記事で紹介したいと思います。
地上数千フィート上空、驚愕の機上「BAR」が備わっているエミレーツ航空 A380 ビジネスクラスの搭乗記はこちらを参照ください。
香港のエミレーツ航空「ファーストラウンジ」を利用可
ファーストクラスであれば香港のエミレーツ航空「ファーストラウンジ」が利用できます。EK385香港-バンコク路線の機内食はファーストクラスといえどワンプレートの簡易的なものなので、食事はラウンジで済ますことをお勧めします。
ラウンジからのフライト、短時間ではありますがエミレーツのファーストクラスを満喫しました。
ANAのA380、フライングホヌのファーストクラス搭乗記は下記を参照ください。ANAのシャンパーニュがクリュッグ(KRUG)なのは評価できるところですが、エミレーツ航空に比べると良くも悪くもそつなくまとまっているという印象です。